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4.担当者も千差万別

―わからない人に何をフォローすればいいかわからない。

自治体の職員は、部署異動があるため、毎年必ず全国のどこかで移住相談窓口1年目の担当者さんがこういう状態になります。

そのため、毎年各県で市町村の担当者を集めて、研修会を開催します。私も何度か研修会で講師を務めさせていただきました。
どの市町村の担当者さんも一生懸命・真剣に受講されます。モチベーションも高いです。
数ある自治体の中から、自分の町を選んでもらいたいですから、同じ県の自治体でもお隣のまちはライバルです。1年目の方こそ熱心に受講されます。

とは言えやはり異動して1年目、ましてや地元出身の方であれば、わざわざ「条件不利地域」とよばれるところに引っ越してきて住みたいという人の気持ちが理解できない場合も。
なので真面目な職員さんであればあるほど、とにかくまちの概要や移住支援制度の説明を一生懸命してくれます。

ただ、残念ながら一生懸命説明することが、必ずしも良いとは言えません。
営業畑にいた者の感覚になりますが、移住相談の担当者は、まちをPRする営業マンでなければなりません。そして説明屋は営業マンではありません。似ていますが全く別物です。
相手のニーズを汲んで、しっかりと願いを叶えるのが営業マンです。
相手のニーズがわからず(気づかず)、一生懸命伝えるだけになってしまうのは説明屋です。

自治体職員さんは住民が対象なので、老若男女問わず、制度・ルールを漏れなく伝えなければなりません。漏れがあるとトラブル・苦情につながる恐れがあるからです。
なので、説明することに関してはプロフェッショナルです(だからこれは決して批判ではありません)。

今はニーズを汲んでくれる担当者さんの方がたくさんいます。特に最近は、地域おこし協力隊として移住相談業務に就任するケースが増えていますので、先輩移住者として経験談も交えて相談に乗ってくれる自治体がたくさんあります。
このような担当者さんに出会った場合は、移住後の暮らしもイメージしやすいですから心強いです。

1年目の担当者さんと、先輩移住者の担当者さん。
どうしても後者の方が心を惹きつけられます。知らない土地で暮らすとなると、頼りになる人がいる方が当然ながら安心できます。移住に限らず、知らない分野に飛びこむなら、頼れる人がいるに越したことはありません。
個人的には、移住先を決める重要なポイントは人だと思いますし。

ですが、1年目の担当者さんだって経験を積めば、頼れる担当者さんになっているはずです。
1年目でわからないことがあっても、あなたが質問すればきっと町中を走り回ってでも情報を集めてくれると思います。だから1年目の方だったとしても頼って下さい。

では千差万別とは言え、みんないい人だから安心できるのかと言えば、ちょっと違います。
やっぱり残念ながら淡々と事務的に説明だけする担当者さんもいます。
一目で「あー、やる気ないのね」ってわかると思います。
きっと移住候補地から外したくなります。

もったいないですよね。
担当者さんがやる気のある人だったら、移住しているかもしれないのに。
魅力的なまちでも、担当者さんのモチベーションで移住してもらえなくなるなんて。

だから、担当者さんの話以外に、ネットなどを使ってご自身で情報収集をしてください。
そのまちに移住者さんが経営するお店があれば、アポを取って話を聞きに行くのもいいと思います。積極的な方は、畑仕事をしている地元のおじいちゃんに話しかけてみるのも良いと思います。
いずれにせよ担当者さんの対応だけで、まちを判断するのはもったいないです。

それと、自分自身で調べて欲しい理由がもう一つあります。
あなたの人生を人に任せないためです。
どこのまちに行っても、いいお話、住みやすさをアピールされると思います。
(先ほど書いたようにひたすら淡々と事務的な方もいますが)。
自分事として聞きながら、時には一歩引いて客観的に話を分析してみてください。完璧なまちはありませんから。

それから質問ですが「こんな些細なことを質問してもいいのかな?」なんて思う必要はありません。
移住を考えたきっかけ、移住候補地として選んだ理由、他の候補地の話など、どんなことでも話してくれることが担当者さんにとっては気づきにもなります。

移住前も移住後も、一番お世話になる機会が多い担当者さん。
いろんな方がいらっしゃいます。話すのが上手な方もいれば、責任感が強すぎて緊張する方もいます。で、やる気のない方も(しつこい笑)。

たくさんの方をお話することで、まちのことや地方全体のことが見えてくるはずです。
窓口に訪問する以外に電話やオンラインなどもありますので、うまく活用してください。

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