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阿武町の誤送金事件で思うこと

こんにちは、いずたにです。

山口県の阿武町が非常に不名誉な事件で全国区となっています。

本件で一番ダメなのは、当然役場ですが、山口銀行が役場に確認しなかったのはひどいですね。
報道では、「業務として落ち度はなかった」的な言い訳をしていますが、
その理屈なら、振り込め詐欺も見逃していくのか?とツッコみたくなります。

さて、言いたいことの本題。

今回の犯人が、移住者だということ。

阿武町は周防大島町と同様、移住施策に力を入れています。
ただ、力の入れ方が正反対です。

周防大島町のスタンスは、私のセミナーを受けてくださった方ならご存知の通り、
家賃補助などの移住支援金は一切出しません。
手前みそながら、前町長が家賃補助を出そうかと考えた時、出さないように、出すデメリットも進言しました。

一方、阿武町は支援金を出します。

年間の移住者の数は、周防大島町より阿武町の方が多かったと記憶しています。
でも、周防大島町が移住先進地と呼ばれます。
阿武町は、自分たちの方が移住者数が多いのにと思ったかもしれません。

これが言いたいことです。

どういうことかと言うと、目先の数字を追いかけるといいことにならない。
それ見たことかと。

セミナーだけに限らず、メディア対応の際も言ってますが、何もしない人を10人受け入れるより、まちに貢献してくれる一人を受け入れる。
そのための移住相談窓口です、移住相談窓口は門番ですよと。
いつもセミナーで言いますが、私は窓口で何度も喧嘩しています。
この犯人みたいなタイプは喧嘩するまでもなく窓口で突っぱねます。

どんな人かわからないのに、色眼鏡で見るのはおかしいと、浅はかに批判する人もいるでしょう。
そのためにヒアリングするんです。これが重要、これがすべてと言っても過言ではありません。

どんな人なのか、何を求めて田舎暮らしを考えているのか。

犯人は、誤送金されたその日に出金しているらしいですが、通常の思考なら役場に連絡します。
移住前のヒアリングで人間性がわかったはずです。わからないのは、移住担当がヒアリングをせず、事務的に空き家バンクの物件を紹介して、先のことを考えず入居させたのでしょう。

いやホント、こうなったから言っているのではないです。私は昔から家賃補助を出す自治体に否定的ですから。

今回の誤送金がなくても、この犯人がどれだけまちに貢献してたの?地域住民と関わって暮らしていたの?って思います。

明らかに誤送金だとわかっていて使う思考なんです。まちに貢献なんかしませんって。

「若い人が移住すれば、まちは変わる」
誰が言い出したのか知りませんが、そんなもの、若者を引き込む口実ですよ。
現場を知らない、大学教授あたりが言ったんでしょうが。
ちなみに若い人が入り、カンフル剤になり、まちではなく、まず地域住民の意識・価値観を変える。
これならわかりますが、端折りすぎです。

セミナーで話したことがある自治体職員さんや、団体の方から今回のことで連絡が来ました。
やっぱり人を見ずに受け入れてはダメですねって。

移住施策は誰のため?まちのためにやるんです。
移住希望者のためにやるのではないんです。
家賃補助は誰のお金?住民のお金、税金です。
住民のお金は住民に使わないとおかしいです。
「なぜワシの金をよそ者に使うんじゃ!」と住民が思えば、双方に軋轢が生じるのです。
それで本当にいいまちを言えるのですか?

こんなことも考えずに家賃補助を出すからこうなるんです。
金を出す前に知恵を出してください。安直に補助金を出す発想は思考が停止しています。
それは最終手段です。そこに踏み込む前に、本当に考え抜いたのか、万策尽きたのか。
あらためて考えて欲しいです。

まちのことを考えない、地域に溶け込まない移住者が増えるメリットがあるなら教えて欲しいです。
誰も幸せにならないですよ。
移住希望者に担当者個人が何を思われてもいいんです。希望者は住んでいないから。
でも、移住させてトラブル起こされたら、窓口の責任だと僕は思っています。住民から怒られても仕方ないと思ってます。だから門番なんです。こんなこと、10年前に窓口に携わってすくに気づきましたよ。

阿武町には申し訳ないですが、この話セミナーで触れます。
別に悪意はないです。敵意もないです。下げるつもりもないですが、不幸な地方を作りたくないので。
阿武町民が気の毒です。

今年度、いろんなところでお話する予定がありますので、そこで全力でお伝えします。

ちょっと勢いで書きましたが、本当はシンプルな一言です。

「あー、腹立つ。」

ではまた。

 

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