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「統計」は参考程度に

こんにちは、いずたにです。

先日、内閣府がすすめている「移住担当者のための手引き書」作成で上京した際、内閣府の方(手引き書作成を提案された方とは違います)とお話しして違和感があった統計というものについてちょっと書きます。

まずは例として以下の統計をご紹介。

昨年、全国労働組合総連合会は人間らしく暮らせるための費用には、地域間で違いがないことを検証するため、全国19道府県で最低生計費試算調査を実施しました。その結果、最低生計費は平均で月約23万円必要という結果が出ました。調査には、人並みの生活に必要な費用を算出するマーケットバスケット方式を採用し、25歳単身者で賃貸居住の条件の場合、最低生計費は平均で月23万1188円になりました。
また、家賃の低い地域では自動車が必要になることなどから、地域間で生活費の大きな差異は見られなかったそうです。
平均値の中で最も高額なのが食費で、3万7987円。自炊は食品成分表を基に消費単価を算出し、外食にかかる金額と回数の平均値も反映しています。調査を監修した静岡県立大学短期大学部の中澤秀一准教授は、「栄養のバランスよく、必要なカロリーを摂取するとこれぐらいの金額になる。人事院が示す標準生計費の食費は約2万5千円。この額では野菜を我慢するなど、相当切り詰めないといけない」とコメントしています。

下の表は「機関誌連合通信社」さんのHPより。とてもわかりやすい表です。

あれ?「田舎暮らしの本」では月10万円で田舎暮らしができるって書いてました。


どっちが正しいの?

上記の全労連の統計が正しいかどうかと言えば、正しいと言えます。
正しくないと言えば、正しくないと言えます。

重要なのは、どの立ち位置からこの統計を見るかです。

全労連は労働者の視点から全国の地域で統計を取っていますので、我々庶民の目線に近いと言えるでしょう。
しかし、田舎での自給自足を推奨する人から見れば、家賃と食費は抑えられると判断するのではないでしょうか。
(それでも「月10万円で暮らせる田舎暮らし」はないと思いますが笑)

統計は、データを取る側がどの立場で統計を取ったのかで結果は変わります。
同じ件の統計であっても、結果が違うということってありますよね?
(ちなみに営業マンは自分にとって都合の良い統計を探してきて話材に利用します。)

男女の性別や人口など、変えようのない統計も当然ありますが、アンケートなどの統計はデータを集める側の思惑で誘導されることは珍しくありません。

統計を利用する際、どの立場から作られたものか、同じ案件で別の統計はないのか調べた方が良いでしょう。
統計は参考にするものであって、鵜呑みにするものではないということです。

最後にベンジャミン・ディズレーリ元英首相が言ったとされる言葉を紹介します。

「この世には3つの嘘がある。嘘、大嘘、そして統計である。」

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